凍結肩の回復過程

前回は、凍結肩のほとんどは自然に良くなることが多いが、痛みや可動域制限などの症状が残る方もいることをお伝えしました。

SOU physioでは、凍結肩に対する誤った認識により自然回復を阻害してしまい、症状が長期にわたり残存してしまうのではないかと考えております。

今回は、凍結肩の一般的な回復過程について説明します。
凍結肩の回復過程を知ることで、今自分がどの時期にいて、何に注意を払うべきか、そしてどう対処するべきかが明確になることで、症状を長期化させずに回復を促進していくことが期待できます。

凍結肩は一般的に以下の3つの病期に分類されております。

1.炎症期
2.拘縮期
3.回復期

最初の病期である炎症期では、徐々に痛みが強くなる時期であり、じっとしていてもズキズキ痛む、夜間あお向けや肩を下にして眠れないなど、安静時痛や夜間時痛があるというのが特徴です。
この時期は、肩関節で炎症が強い可能性があり、無理に動かしたりすると炎症を悪化させることがあるため積極的に運動するという時期ではありません。投薬や注射などの治療が主体となります。

拘縮期では、安静時痛や夜間時痛が減少していくとともに、特に肩関節を包み込む膜 (肩関節包と呼ばれます) が徐々に硬くなってくる時期です。この時期もまだ動かすと痛みが強く出現する時期であるため、 理学療法士の管理指導のもと、さまざまな方向に適度に動かしてきます。

回復期では、可動域制限や痛みが徐々に改善していく時期です。
この時期は、正常関節に比べるとまだまだ可動域制限は残りますが、動きの最終域では強い痛みではなく、心地よいストレッチ感であることが多いです。

一般的にはこのような回復過程をたどりますが、それぞれの病期がオーバーラップすることや、炎症期を経ずに拘縮期に至る例もおり、明確に分類することは難しいです。
しかし、現在の症状からある程度の病期は把握できるため、誤った対処方法をしないためにも、今自分がどの時期にいるのかを確認することは大変重要になります。

現場で患者さんのお話をお聞きしていると、炎症期と考えられる時期に痛みを伴いながらも激しく動かし、拘縮期と考えられる時期に動かさずに、硬さが二次的に他の部位への負担をかけ、肩甲骨や肘などの別の箇所に痛みが出てきてしまうなどが多く見られます。

まとめです。
凍結肩と診断されたら、今は自分がどの病期にいるのか把握して、どう対処するべきかを確認してください。
SOU physioでは痛みがある程度落ち着いてくる、拘縮期〜回復期の時期においてより専門的に施術を行っていきます。


SOU physio  大城 竜樹 (理学療法士)