【凍結肩の治療】経口ステロイド VS エクササイズ

2023年にアメリカの肩・肘関節専門の医学雑誌、Journal of Shoulder and Elbow Surgeryに発表された論文をご紹介します。

凍結肩の患者さんを、経口ステロイド群とエクササイズ群に分けて、その治療効果を比較した論文です。(※1)

結果は、
6週、12週の経過観察で両群ともに改善を示しており、可動域(外転、外旋)においては、エクササイズ群がより有意に改善した。

と結論づけています。


凍結肩の発症初期(炎症期)では、安静時痛や夜間時痛が強いため、その多くは痛み止めなどの内服薬が処方され、安静を指示されます。

しかしこの論文でも示されているように、エクササイズによる治療のみでも経口ステロイド群と同程度、またはそれ以上の効果が示されています。

そのため、痛みの強い時期である炎症期においては、”内服” ”安静”だけでなく、
・凍結肩の病期や予後についての説明
・生活動作の注意点などの指導
・夜間痛がある場合のポジショニング指導
・痛みの出ない範囲でストレッチやモビライゼーション(関節を動かす手技)
・セルフエクササイズ指導

などを適切に行なうことでより早期の改善が期待できると考えております。



(※1)Derya Celik, et al. Oral corticosteroids vs. exercise on treatment of frozen shoulder: a randomized, single-blinded study. J Shoulder Elbow Surg 2023;32: 1127-1134


SOU physio 大城竜樹(理学療法士)